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大学からのお知らせ

機械電気系の稲葉一輝助教が第75回自動車技術会賞「論文賞」を受賞

 このたび、機械電気系の稲葉一輝助教が、第75回自動車技術会賞「論文賞」を受賞し、5月22日(木)にパシフィコ横浜(神奈川県)で開催された、自動車技術会「2025年春季大会」において授賞式が行われました。

 公益社団法人 自動車技術会は、自動車に係わる研究者、技術者、学生、企業などの会員で構成される工学系ではわが国最大の学術団体で、この賞は「自動車工学及び自動車技術の向上発展を奨励すること」を目的として創設され、自動車技術分野を代表する賞として常に注目を集めているもので、論文賞は自動車技術に関係ある優れた論文を発表した個人及びその共著者に対して授与されるものです。

 今回受賞した論文「ディーゼル機関のパイロット噴射がすす粒子の炭素結晶子サイズおよび酸化反応性に及ぼす影響」の概要は以下のとおりです。
 ディーゼル自動車より排出されたすす粒子は微粒子除去フィルターによって捕集され、堆積が進むと強制再生によって酸化?除去されますが、その際に必要なエネルギーはすす粒子の酸化反応性によって変化するため、後処理システムの高精度な制御を行うためには酸化反応性の予測が必要となります。すす粒子の炭素結晶子サイズと酸化反応性には相関があることが知られていますが、結晶子サイズを予測して酸化反応性を推定する方法は確立されていません。
 その課題に対して、本研究ではエンジン筒内の平均ガス温度履歴を時間積分した値TIT(Time Integral of the mean in-cylinder gas Temperature)を提案し、TITによって異なる機関運転条件におけるすす粒子の炭素結晶子サイズを予測できる可能性を示しました。この成果は、今後の後処理ステムの制御に有用な知見を提供するものであり、高く評価されるものです。

 受賞した稲葉助教は、「現在、カーボンニュートラル化のためにさらなる内燃機関の進化の研究が進められています。今回の受賞から、エンジンもまだまだこれからで、研究を進めるモチベーションをいただいた。究極のエンジンを目指して研究を進めていきたい」とコメントしています。

[受賞論文]

稲葉一輝,濱崎拓人,林田和宏,ディーゼル機関のパイロット噴射がすす粒子の炭素結晶子サイズおよび酸化反応性に及ぼす影響:自動車技術会論文集,54巻,5号,p. 970-976,2023年.

DOI:https://doi.org/10.14845/jskisciences.18.1_9


授賞式の様子
(写真中央:稲葉助教、写真右:林田教授)
展示ポスター

[企画総務課 2025/05/28 更新]

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